【自転車】梅丹本舗の公式サプリでドーピング問題浮上。リオ五輪出場と今後の処分は?
こちらの記事では、2016リオデジャネイロオリンピック 自転車競技に関連して、日本自転車連盟の公式サプリ(梅丹本舗)から禁止のステロイド成分が検出された問題について書かせて頂きたいと思います。
既に内定を決めている日本代表選手のリオ五輪出場と今後の処分についても考察させて頂きます。
日本自転車連盟公式サプリから禁止薬物ステロイド検出
先日、リオ五輪自転車競技に出場する日本代表選手が発表されたばかりですが、本日大変ショッキングなニュースが入ってまいりました。
公益財団法人・日本自転車競技連盟(JCF)が公式スポンサー契約を結ぶ健康補助食品販売会社「梅丹(めいたん)本舗」(大阪府摂津市)の2製品から世界反ドーピング機関(WADA)で禁止されている、たんぱく同化ステロイドが検出されたことが20日、分かった。JCFは同社と2011年から契約し、五輪を目指すトップ選手らに製品を提供していた。公式と銘打った飲食物から禁止物質が検出されるのは前代未聞で、リオ五輪を間近に控えて混乱は避けられそうにない。
梅丹本舗といえば、古くから自転車競技に力を入れている老舗の企業として有名であり、またその商品も自転車・ロードレースの競技者、ファンにとっても大変馴染みのあるものでしたが、今回の問題は関係者内外問わず大変な衝撃を与えているようです。
通常、大手の企業がサプリなどを販売する場合は、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の審査を必ず受けるということですが、明確に義務付けられてはいないため、梅丹本舗はこれまでずっと審査を介さず販売してきたということです。
そして、今月10個の商品についてWADAの指定する英国の検査機関に審査依頼をしたところ、「古式梅肉エキス」と「トップコンディション」という2つの商品から微量ながら禁止成分が検出されたということで、今回の問題に発展しています。
その禁止成分は「ボルジオン(1,4-androstadiene-3,17-dione)」というもので、たんぱく同化ステロイドの一種であり、服用することで筋肉増強効果などが期待されるということです。
梅丹本舗としても、まさか梅肉100%の自然成分から禁止成分が見つかるとはという気持ちもあったのかもしれませんが、やはりアスリートが服用する事を考えた場合、企業として検査を怠っていたというのは責任を問われることになるでしょう。
そして、2011年から公式スポンサー契約を結んでいるJCFも、ずっと審査の有無を指摘していなかったということで、こちらもやはり責任を問われます。
古代梅肉エキス1グラム当たりのたんぱく同化ステロイド成分は0.00005ミリグラムと大変微量で効果はないとされるものの、検査では微量でも陽性反応がでるものであり、
さらに国際自転車競技連合(UCI)はドーピングに特に厳しい機関でもあるため、選手にとっても、そして日本自転車界にとっても大変先行きが不安な状況となっています。
そして、なにより今回の問題で一番影響を受けてしまう可能性があるのは、先日リオ五輪への出場が決まった選手たちです。
自転車リオ五輪 日本代表選手の出場と今後の処分について
今回問題となった商品は、公式サプリということで、試合会場の控え室などに普通に置かれており、選手は誰でも口にできる状況であったということです。そして、実際に選手からも「知らずに服用していた」という声も多数上がっているようです。
梅丹本舗は老舗の企業で、その商品の効能や安全性も大変評判が良く、選手のみならず好んで日常的に服用している梅丹愛用家も全国的に多数いるとのことで、ネットでも「まさか梅丹が」という声が多く見られました。
今回の件に関しては、選手には全く非がなく、本当に気の毒だとしか言えません。
そして、リオ五輪出場が決まっている選手は下記の7名ですが、
◆男子ロードレース◆ 新城 幸也選手、内間 康平選手
◆男子トラック ケイリン◆ 渡辺一成選手、脇本雄太選手
◆男子トラック スプリント◆ 中川誠一郎選手
◆男子トラック オムニアム◆ 窪木一茂選手
◆女子トラック オムニアム◆ 塚越さくら選手
選手たちは、先日吉報を受けたばかりであり、今回の問題を知った動揺とショックは計り知れません。本当に気の毒な事態です。
自転車のドーピング問題においては、有名なランス・アームストロング選手をはじめ、過去に幾度となく取り沙汰されており、国際自転車競技連合(UCI)はそのたびドーピング対策の強化を図ってきました。
そして、今年2月には史上初の「隠しモーター」によるメカニカルドーピング問題があり、不正に対して過敏に反応する状況となっている最中に起こった今回の問題。
もし選手から陽性反応が見つかれば、UCIの下す判断は厳しいものとなることが予想されます。
ドーピングが見つかった場合、最低で6カ月の出場停止処分、近年の違反した選手には多くがUCIより1年半~2年の出場停止という処分が下されています。
そのため、万が一上述の選手に陽性反応が出た場合は、リオ五輪も出場取消しとなる可能性は実際ありそうです。
しかしながら、一方で、オーストラリアのトップ選手であるマイケル・ロジャース選手は、2013年ドーピング陽性反応により暫定的な出場停止処分を下されるも、後日その反応はたまたまツアー先で食べた中国産の肉によるものという主張が認められ、UCIに処分を取り消された例もあります。
今回の件に対して、JCFの担当者は「今回の件は選手には全く非のないものであり、各選手に影響はないようにしたい」と話しているということですが、選手のドーピング検査の結果も含め、果たしてどうなっていくのか要注目となります。
個人的には、梅丹本舗の社長が自ら謝罪もして非を認めているので、万が一選手から陽性反応が出ても、意図的ではないことが証明され処分は無しとなるのではないかと思いますが、これは希望的観測かもしれません。
ひとまず、選手たちがドーピング検査で全く問題がないという結果が出ることを祈りたいですね。
また、自転車競技とドーピング問題についても、何か情報が入りましたらお伝えさせて頂きます。
それでは、最後までお読み頂きましてありがとうございました!
リオ五輪開幕まであと106日です!