リオオリンピック 柔道の男子日本代表の注目選手・金メダル候補まとめ
こちらの記事では、2016リオデジャネイロオリンピック 柔道に関連して、男子日本代表の注目選手・金メダル候補について書かせて頂きたいと思います。
※2016/08/06、下記のリンクを追加させて頂きました。
※リオ五輪柔道 男子女子日本代表の結果速報・最新情報については下記の記事に掲載させて頂きますので、こちらも是非ご覧下さい↓
男子柔道 リオ五輪日本代表選手について<2016/04/29更新>
こちらの項目では、男子柔道リオ日本代表7名について選手情報を掲載させて頂きます。
※女子日本代表7名については、下記の記事を是非ご覧ください↓
リオ五輪 女子柔道の日本代表注目選手と金メダル候補まとめ - リオ五輪2016まであと〇〇日!
高藤 直寿選手<男子60kg級>
男子60kg級は、高藤直寿選手(22歳、パーク24)です。
得意技:小内刈り、肩車。
2012年5月のグランドスラム モスクワで、国際柔道連盟が定めるIJFグランプリシリーズ初優勝を飾ると、そこから高藤選手の世界での快進撃は始まります。金メダルを次々と獲得し、2012年5月以降国際大会での敗北はなんと2度のみ。
2015年は前半こそ調子が上がらなかったものの、5月のワールドマスターズ、10月のグランドスラム パリ、12月のグランドスラム東京と全て優勝。2016年2月付の世界ランキングで堂々の1位となっています。高藤選手の柔道は変則スタイルとして有名であり、その場その場で様々な技を繰り出す「高藤スペシャル」は誰も予知できない領域です。
全日本選抜体重別選手権では、残念ながら準決勝で大島優磨選手に負けてしまいましたが、これまでの戦績から今回リオ代表に選出されました。
リオでは、きっと好調を取り戻し金メダルを獲得してくれるのではないでしょうか。
海老沼 匡選手<男子66kg級>
男子66kg級は、海老沼匡選手(26歳、パーク24)です。
得意技:背負投げ。
2012年、五輪初出場となるロンドン五輪では銅メダルを獲得。そして、海老沼選手といえば、2011パリ、2013リオデジャネイロ、2014チェリャビンスクと世界選手権3連覇の偉業を達成しています。この記録は日本人男子としては井上康生氏以来史上5人目の大記録です。
しかし、2014年12月のグランドスラム東京では若手選手の阿部一二三選手、高市賢悟選手に敗れ、4連覇の期待がかかった2015年8月の世界選手権は3回戦で敗退。2015年12月のグランドスラム東京は決勝で高上智史選手に敗れ準優勝と、2014年12月からの1年間は勝ちきれない時期が続いていました。
そして、今年はというと、2月のグランドスラム パリにて、2015世界選手権優勝のアン・バウルと現在世界ランク1位のダワードルジ・トゥムルフレグを次々と倒し、優勝を果たしました。全日本選抜体重別選手権では準決勝で阿部一二三選手に敗れてしまいましたが、リオで再度メダル獲得なるか期待がかかります。
大野 将平選手<男子73kg級>
男子73kg級は、大野将平選手(24歳、旭化成)です。
得意技:大外刈り、内股。
大野選手は2012年からシニアの国際大会に出場するようになりましたが、その後次々と優勝を果たし、2012年12月のグランドスラム東京では、中矢力選手を破り優勝。
2013年リオデジャネイロ世界選手権でも優勝し初の世界王者となりました。
そして、連覇のかかる2014年の世界選手権では4回戦敗退となり、王者の座を中矢選手に譲る結果になりましたが、昨年の2015年の世界選手権ではその中矢選手を破り、見事王者の座を奪還しました。
そして、今年はというと、2月のグランプリ デュッセルドルフで優勝し、全日本選抜体重別選手権でライバル中矢選手を再度破り優勝。激戦区の73kg級で見事リオ五輪代表に選ばれました。
好調をキープしている大野選手には、リオでの活躍も大いに期待できます。
永瀬 貴規選手<男子81kg級>
男子81kg級は、永瀬貴規選手(22選手、旭化成)です。
得意技:足技、内股。
永瀬選手は、高校生の頃から少しずつその才能の頭角を現し始めました。
2012年筑波大学に入学すると、全日本ジュニア大会、アジアジュニア大会、ユニバーシアードと立て続けに優勝。
2013年にグランドスラム東京に初めて出場すると、その当時世界ランク126位だった永瀬選手は、世界ランク1位、2位クラスの選手を次々と破り、グランドスラム初優勝を飾りました。まさに快進撃を続けた永瀬選手は、2014年のグランドスラム東京も優勝し連覇を飾ると、2015年の世界選手権も優勝、初めて世界王者に。81キロ級で15年ぶりの日本選手優勝という快挙を成し遂げました。
3連覇のかかる2015年のグランドスラム東京では、準決勝で韓国のイ・スンス選手と対戦。審判の誤審により反則負けをとられ3位に終わりました。審判は誤審を認めたものの結果は覆らなかったとの事で、ニュースにもなりましたね。
そして、永瀬選手は昨年の悔しさを晴らすように全日本選抜体重別選手権でも順当に優勝し、見事リオ出場を決めました。
世界王者の永瀬選手はリオでもきっと危なげなく金メダルを獲得してくれることでしょう。
ベイカー 茉秋選手<男子90kg級>
男子90kg級は、ベイカー茉秋選手(21歳、東海大学)です。
得意技:大内刈り、大外刈り。
ベイカー選手は、アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフ選手です。
ハーフ選手のため、きっと小さい頃から体格が立派であったのではと想像してしまいますが、どうやらそうではなかったようです。意外なことに、現在の立派な体格になったのは、高校生になってからとのことです。
階級において、高校1年生の時には66kg級だったものが、高校2年生の時には90kg級まで上がったという事ですから驚きです。そして、高校2年生の後半から柔道において急激な成長を遂げたとのことです。
2013年に東海大学に進学すると、同年のグランドスラム東京に初出場。するとシニア国際大会初出場にして初優勝を飾ることになります。
2014年、初めて出場した世界選手権は2回戦敗退となるも、世界団体では優勝を果たし、グランドスラム パリ、グランドスラム東京はともに銅メダルで終えました。
そして、2015年、2度目の出場となる世界選手権で銅メダルを獲得すると、12月のグランドスラム東京では見事2度目となる優勝を果たしています。
全日本選抜体重別選手権では決勝で西山大希選手に敗れ2位に終わってしまいましたが、これまでの戦績よりリオ代表に選出されています。
ベイカー選手はまだまだこれから成長するポテンシャルを秘めており、末恐ろしい選手だと感じます。体重別での敗戦をバネに、リオではきっとメダルを獲得してくれることと思います。
羽賀 龍之介選手<男子100kg級>
男子100kg級は、羽賀龍之介選手(24歳、旭化成)です。
得意技:内股。
羽賀選手は、幼い頃からその才能で注目され、高校一年の時には、金鷲旗全国高等学校柔道大会にて史上初となる20人抜きを達成し、話題になりました。
その後、鳴り物入りで東海大学へ入学し、次世代のホープと期待されるも、2012年夏、それまで脱臼を繰り返していた左肩関節の手術を行うと、羽賀選手の柔道人生は一変しました。
9カ月間もの間練習もできず、一時は「柔道はもうできない。終わった」と考えることもあったとの事です。そして、練習再開となってからも、再度の脱臼への怖さから技を思うように仕掛けられずスランプに陥った時期もあったと羽賀選手は語っています。
そして、更に2014年世界選手権では「男子100kg級はメダルが期待できない」との理由から初めて派遣見送りとなり、羽賀選手のみならず、他の100㎏級の選手も出場することができませんでした。
羽賀選手は自分の責任だとふさぎこんでしまった時期もあったようですが、2015年2月のヨーロッパオープン ローマから復活の兆しを見せます。グランプリ デュッセルドルフと立て続けに優勝すると、前回屈辱の派遣見送りであった世界選手権へ念願の出場。
そして、見事優勝を成し遂げました。
続くグランドスラム東京でも優勝を果たし、完全な復活を遂げた羽賀選手。
2月にはベイカー選手、永瀬選手とともにパリ合宿に参加したようですが、羽賀選手にとってはリオ出場は当たり前であり「金メダルを獲ります」と金メダルへと目標は変わっているようです。
羽賀選手は、怪我のため全日本選抜体重別選手権は欠場となりましたが、戦績からリオ五輪内定となりました。
怪我で内定というのは複雑な心境であると想像できますが、きっとリオでは素晴らしい結果を出してくれることでしょう。
原沢 久喜選手<男子100kg超級>
男子100kg超級は、原沢久喜選手(23歳、JRA)です。
得意技:内股。身長191cm、体重122kg。
原沢選手は国際大会の経歴は浅いものの、2014年グランプリ青島から、2015年2月ヨーロッパオープン ローマ、同年7月ユニバーシアード、グランドスラム チュメニ、同年10月グランドスラム パリ、同年12月グランドスラム東京、2016年2月グランドスラム パリと、全て優勝。なんと国際大会7連覇を果たしています。
しかしながら、昨年までの100kg超級日本代表の1番手と言われたのは、世界選手権で結果を残しているライバル七戸龍選手でした。
リオ選考においても七戸選手が若干優位とささやかれていましたが、今年に入ってその立場は逆転し、現在世界ランクでは七戸選手が3位、原沢選手が2位となっています。
原沢選手は全日本選抜体重別選手権でも見事ライバル七戸選手を決勝で破り優勝。
4月29日に行われた全日本選手権では、準決勝で上川大樹選手に惜しくも旗判定で敗れましたが、同日、これまでの実績から見事100kg超級リオ代表の座を掴み取りました。
全日本柔道連盟の説明によると、原沢選手は七戸選手との直接対決で4戦全勝であったことが原沢選手の内定が決まった大きな理由となったということでした。
原沢選手はインタビューで「後味の悪い結果だが、選ばれたからには、五輪で金を取ると決めて死に物狂いでやる」と語ったということです。
きっと同じ100kg超級の選手たちの想いも背負って、リオで大いに活躍してくれるのではないでしょうか。本番での原沢選手に期待したいですね。
リオ五輪での男子柔道 金メダル候補について
個人的見解として、今時点でリオ五輪での金メダル候補を挙げるとすれば、
大野将平選手、永瀬貴規選手、羽賀龍之介選手
の3選手になると思います。
今回の男子柔道日本代表においては、金メダルの可能性は全ての階級で十分にあると言われており、上記3選手は、現時点でも既にそれぞれの階級で抜きんでた存在である事から、選ばせて頂きました。
次に可能性があるのは、高藤直寿選手、原沢久喜選手の2選手と考えています。
次の記事では、女子の日本代表注目選手・金メダル候補について書かせて頂きたいと思います。
それでは、最後までお読み頂きまして、ありがとうございました!
リオ五輪開幕まであと156日です!