リオオリンピックの経済効果は?ブラジルの経済状況は?
こちらの記事では、2016リオデジャネイロオリンピックの経済効果について、また過去のオリンピック、2014ブラジルワールドカップの経済効果、そしてブラジルの経済状況についても取り上げたいと思います。
過去のオリンピックの経済効果について
2020年に東京五輪を控えている日本。
「日本は何故オリンピック招致に力を入れてきたか」といえば、間違いなく一番の理由は「大きな経済効果が見込める為」という答えになるでしょう。
もちろん「自国を世界にアピールしたい、オリンピックという世界的な祭典を自国に呼びたい」といった理由やその他にも様々な理由が考えられますが、オリンピックは儲かるというのが、世界的に広まっている説であり、事実、過去のオリンピック開催国と非開催国のGDP成長率を比較するとほとんどの開催国のGDP成長率の方がプラスであったというデータがあるようです。
1964年の東京五輪の時には、東京は新幹線や首都高速の開通、空港や地下鉄の整備など大規模なインフラ整備に多大な投資をし都市機能は急速な発展を遂げ、そして観光客の消費など直接的な経済効果と、オリンピック終了後の間接的な経済波及効果も大きなものとなり、東京五輪はその後の日本の高度経済成長の大きな足掛かりとなりました。
また、2000年のシドニーオリンピックは、少ない投資で一番大きな経済効果を得たオリンピックとして評価されているようです。
シドニー五輪の開催費用は全部で約4000億円と言われており、2020年東京五輪の開催費用は先月の報道では約1兆8000億円かかると伝えられていましたので、シドニーは当初東京五輪が想定していたコンパクトなオリンピックを正に実現させたオリンピックだったと言えるでしょう。
また過去最大の3兆4000億円という開催費用で行われた2008年の北京オリンピックは、大きな投資でも大きな利益を得たオリンピックであったようです。
北京オリンピックの経済効果はアテネオリンピックの7倍以上であり、直接的な経済効果は約4兆7000億円、経済波及効果としては約10兆2000億円と言われています。
近年の中国の大きな経済成長の理由の1つに「北京五輪」が含まれていることは間違いない事実です。
2012年ロンドン五輪につきましても北京五輪ほどではありませんが、プラスの経済効果があったという報告が多数されています。
ただ、オリンピックの開催国が全てプラスの経済効果を得ているかというと、そうではありません。
2004年アテネオリンピックを開催したギリシャですが、ご存知の通り、昨年には財政破綻の危機という事で大きく報道されました。
五輪開催時には予定を大きく上回る開催費用を投じたという事ですが、プラスの経済効果を得ることなく、負の遺産をたくさん生み出してしまった事も、ギリシャの経済を悪化させる原因になったと言われています。
ブラジルW杯とリオデジャネイロ五輪の経済効果は?
2014年W杯が開催される前にブラジルのスポーツ省は、2014年W杯と2016年オリンピックによる経済効果を、直接的な効果が約1.8兆円、 間接的な経済波及効果を約5.2兆円、合わせて計7兆円のプラス効果があると発表しました。
また、これにより300万人以上の雇用を創出することができるとも発表しました。
そして、実際、ブラジルW杯の経済効果はどうだったかというと、当サイトの一番最初の記事でも取り上げましたが、多くの専門家が経済効果はマイナスだったと指摘したとの事です。
ブラジルは数年前、中国、インド、ロシアとともに「BRICs」と称され、経済成長が著しい新興国の代表国でした。2000年代には豊富な資源を元に貿易産業を拡大させ、中国とともに成長してきました。そんな折にW杯とオリンピックを次々と招致することに成功し、まさにノリに乗っていたと言えると思います。
一説では、1964年東京五輪をきっかけに成長を遂げた日本を理想にしていたという説もあります。
しかし、輸出に大きく依存しているブラジルの経済は、最大の貿易相手国の中国の勢いが止まった事により、自身の成長も歯止めがかかり、W杯に期待するも利益は得られず、下落の一途をたどっているとのことです。
失業率とインフレ率は年々上昇し、昨年2015年には1990年以降で最悪の不況となってしまったとの報道もあります。
そして、迎える2016年リオデジャネイロオリンピックの経済効果は果たしてどうかという事ですが、、
答えとしては、正直見通しは厳しいがプラスになるかもしれないし、どうなるかわからないという感じです;;
答えになっていなくて申し訳ございません。。
実際、経済効果というものは間接的な波及効果まで見込むとどこまで五輪の影響があったとみなすのかを判断するのは難しく、過去のオリンピックについても、そして2020年東京五輪についても、経済効果に対する専門家の意見はずっとまちまちのようです。
ちなみに、2020年東京五輪の経済効果については、3兆円のプラスと話す専門家もいれば、150兆円のプラスだと論じる専門家もいるみたいです。
ただ、言える事としては、オリンピックを経済の起爆剤にできるかどうかは、その国によるというのが確かな事実です。
まとめ
ブラジルの経済は今相当厳しい状況であり、まさにこのオリンピック開催はギャンブルと言えるでしょう。
リオデジャネイロ五輪が世界中で熱狂的な盛り上がりを見せるイベントとなり、ブラジルの選手が大活躍してブラジル国内が明るくなることがあれば、経済効果は素晴らしいものになるかもしれません。
ブラジルの国内事情についても、また後日触れさせて頂きたいと思います。
それでは、最後までお読み頂きましてありがとうございました!
リオ五輪開幕まであと189日です!